人文科学府 言語・文学専攻 西洋文学 分野 独文学 専修 専修科目 (単位数 1) 選択科目 対象学年: 対象学部等: |
German Modern Literature (Seminar I)B
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科目ナンバリングコード: 講義コード: 2023 夏クォータ 毎週 火曜4限 伊都イーストゾーン 独文演 教室 M/J科目 (日本語, German) |
授業の概要 |
【授業概要】 現代ドイツを代表する詩人ドゥルス・グリューンバイン(Durs Grünbein, 1962- )が2023年6月10日(土)に九州大学の伊都キャンパスで講演を行います。同氏は、ゲオルク・ビューヒナー賞(1995)、ニーチェ賞(2004)、ヘルダーリン賞(2005)、ドイツ連邦共和国功労勲章賞(2009)などの受賞者であり、現代ドイツを代表する世界的な詩人です。彼の詩集やエッセイは世界各国で翻訳されており、邦訳としては『ドゥルス・グリューンバイン詩集』(縄田雄二編訳、中央大学出版会、2004年)があります。 九州大学での講演は、2020年にドイツで上梓された『文学の彼方で オックスフォード講義』(Durs Gruenbein: Jenseits der Literatur. Oxford Lectures. Berlin: Suhrkamp 2020.)に基づく内容です。つまり、グリューンバイン氏が2019年にオックスフォード大学で行った講演をドイツ語で再現するものになります。ちなみに、オックスフォード大学で1993年以来毎年行われている講義は、「ヴァイデンフェルド卿講義」と称されている比較文学関連の企画です。これまで、ジョージ・スタイナー、マーサ・ヌスバウム、ウンベルト・エーコ、マリオ・バルガス・リョサなど、世界的に著名な作家、詩人、哲学者などがオックスフォードに招待されてきました。 グリューンバイン氏の最新著作『文学の彼方で』は、自らの経験に基づいてドイツの過去を問う四部構成の著作です。アードルフ・ヒトラーの肖像画を載せたナチス時代の切手をめぐるさまざまなエピソードから著作は始まります。幼年時代に祖父の家でヒトラーの切手をたまたま見つけたことは、詩人にとって特異な体験であり、ナチス問題を考える重要な契機になりました。次いで「総統の道路」であるアウトバーンとそれを写し出した写真にも話が及びます。次の話題はドレースデン爆撃とそれを可能にした航空写真です。飛行機の機内からロンドン市内が見えたとき、グリューンバイン氏は自身の故郷ドレースデンがかつてイギリスによって無差別爆撃を受けたことを思い出しました。氏はかなり抑制の効いた言葉で話したようですが、オックスフォード講演の中で、少なくとも聞き手にとって、最も微妙なテーマだったはずです。そして最後は、やはり幼年期に間近にみたソ連の戦車や兵士、そして東独時代の学校において行ったニュルンベルク裁判をめぐる報告を通じて、講演は歴史家論争や修正主義の問題などドイツ人にとって最も微妙なテーマに行き着きます。このように講演では、ナチスという過去がグリューンバイン氏自身の体験や写真や自動車に代表される新しい技術を通じて、私たちの現在において現前化されるのです。つまり、ミクロとマクロの絶妙な混淆から過去が現在として立ち上がってくると言えましょう。 本演習では、ドゥルス・グリューンバイン九州大学講演の準備として、『文学の彼方で オックスフォード講義』を訳読し、関連の文学作品や評論を比較検討しながら、考察を進めていきます。 Vgl. https://www.goethe.de/ins/jp/ja/sta/tok/ver.cfm?event_id=21021767 (Advanced seminar; Hauptseminar) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キーワード : ドゥルス・グリューンバイン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
履修条件 : 履修に必要な知識・能力 : | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特記事項 |
教職 : 資格 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
到達目標 |
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
授業方法 |
テキスト : Durs Gruenbein: Jenseits der Literatur. Oxford Lectures. Suhrkamp: Berlin 2020. 参考書 : 授業中に指示する。 授業資料 : 授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
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成績評価 |
GPA評価
成績評価基準に関わる補足事項 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学習相談 |
学習相談 : 本授業の終了後、ならびにオフィスアワー(火曜3限)にて相談に応じる。 授業以外での学習に当たって : 合理的配慮について : 障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。 <相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階) (電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp) |