人文科学府 歴史空間専攻 広域文明史学 分野
イスラム文明史学 専修
専修科目 (単位数 1)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
イスラム文化史特論 IIIB
Cultural History of Islam (Specialized Lecture III)B
講義題目  イラン立憲制史
日本大学文理学部人文科学研究所 研究員(日本学術研究会特別研究員PD) 徳永 佳晃
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2025 後期
集中
伊都イーストゾーン B-105 教室
E/J科目 (日本語, English)
更新情報 : 2025/9/10 (21:45)
授業の概要  イランでは今日、「イスラーム共和制」と言われる、イスラームに立脚した統治と西欧的な政治機構とを合わせた特徴的な政治体制が成立している。その体制が成立した背景を考察するにあたり、本講義ではイラン法制度、特に近代憲法に着目し、それが現代の体制に至るまでいかなる変容を経てきたかを探究する。この探究においては、同時代における他地域との連関、すなわち法体系及び憲法思想の広範な伝播、連鎖その他の相互作用に留意することが欠かせない。以上を踏まえつつ、一国家の枠を超えた知の連関という観点から、イラン立憲制史を理解することを本講義の目標とする。

(Today, Iran has established the regime of an "Islamic Republic," characterized by a blend of Islamic governance and Western political institutions. In order to examine the background of its establishment, this lecture focuses on the constitutional developments and explore how they have evolved over the years leading up to the current regime. In this exploration, it is essential to pay attention to the connections with other regions during the same period, including the broad dissemination, interconnection, and other interactions of legal systems and constitutional ideologies. Based on this, this lecture aims to comprehend the constitutional history of modern Iran from the perspective of global exchanges of knowledge that transcend the boundaries of individual nations.)
キーワード : イラン 憲法 議会 イスラーム
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 2月前半の開講を予定している。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業 https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/course/view.php?id=67129
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
G_A-2 [修士:専修分野の知識と理解]
当該分野における研究史と方法論を説明できる。
イラン立憲制史に関する研究史と方法論を説明し,批判的に検討することができる。 イラン立憲制史に関する研究史と方法論を説明し,ある程度批判的に検討することができる。 イラン立憲制史に関する研究史と方法論を十分に説明することができる。 イラン立憲制史に関する研究史と方法論を必要最低限説明することができる。
G_B-1-2b [修士:実証的な歴史像、歴史・地理認識の提示]
収集した史資料・データを文献史学・考古学・地理学的な方法論にもとづいて的確に分析し、実証的な歴史像および歴史・地域認識を提示することができる。
イラン立憲制史に関して、文献史学その他の方法論にもとづいて的確に分析し、実証的な歴史像を提示することができる。 イラン立憲制史に関して、文献史学その他の方法論にもとづいて一定程度分析し、歴史像を提示することができる。 イラン立憲制史に関して、文献史学その他の方法論にもとづいて十分に分析することができる。 イラン立憲制史に関して、文献史学その他の方法論にもとづいて必要最低限、分析することができる。
G_B-2-1 [修士:知識・理解の深化と統合]
専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法を獲得し、高度に専門的な知識を有機的に総合できる。
イラン立憲制史の内容に関する深い理解と、政治史及び法制史の思考方法を獲得し、高度に専門的な知識を有機的に総合できる。 イラン立憲制史の内容に関する深いの理解と、政治史及び法制史の思考方法を獲得できる。 イラン立憲制史の内容に関する一定程度の理解と、政治史及び法制史の思考方法を獲得できる。 イラン立憲制史の内容に関して、最低限理解することができる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府歴史空間論専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 各回授業の終わりに記入するリアクションペーパーにて平常点を評価する。また、講義全体終了後にMoodleを通じて期末レポートを課す。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 用いない。各回スライドを配布する。
参考書 : 大河原知樹、堀江聡江『イスラーム法の「変容」:近代との邂逅』山川出版社, 2014.
辻村みよ子『比較憲法』第3版, 岩波書店, 2018.
大塚和夫ほか編『岩波イスラーム辞典』岩波書店, 2002.
法令用語研究会編『法律用語辞典』第5版, 有斐閣, 2020.
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 オリエンテーション:この回では、本講義の目標、評価方法、各回の概要などに関して説明した後、授業で主に取り上げるイラン、中東地域について簡潔に紹介する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
2 立憲制史の研究手法:この回では、講義全体に通底する一国史の枠を超えた研究手法を紹介するとともに、それが本講義で取り上げる立憲制史といかに関連するかについて考察する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
3 イスラーム法学@(イスラーム法学の基本概念):この回では、近代以前のイランにおいて最も重要な法体系であったイスラーム法学に関して、その概要及び基本的な考え方を学習する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
4 イスラーム法学A(前近代におけるイスラーム法学の実践):イスラーム法学の理論について概説した前回に続き、この回では、イスラーム法学の実際の運用及びその多様なあり方に関して、その歴史を紐解きつつ論じる。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
5 19世紀欧米における近代憲法:この回では、19世紀欧米における近代憲法史に関して、特にイラン国憲法典に大きな影響を与えたフランス法系諸国における展開を中心に概観する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
6 西アジア諸国における憲法制定の試み:この回では、イランに先行、又は同時進行で進んだアジア諸国の立憲運動に関して、オスマン帝国、エジプトなどの例を取り上げつつ論じる。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
7 イラン国憲法典@(イラン立憲革命の展開):この回では、イランにはじめて立憲制をもたらしたイラン立憲革命(1905−1911)に関して、その政治、社会的背景及び革命開始後の展開に関して説明する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
8 イラン国憲法典A(イラン国憲法典と議会中心主義):この回では、イラン立憲革命において同国初の近代憲法典として制定されたイラン国憲法典に関して、その概要及び特徴を諸外国の憲法典と比較しつつ考察する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
9 イラン国憲法典B(パフラヴィー朝における憲法運用):この回では、イラン国憲法典制定後の運用に関して、その制定時の理念と実際の運用とのずれ、及びそのずれをもたらした政治、社会的背景に着目しつつ論じる。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
10 20世紀欧米における現代憲法:この回では、現行のイラン・イスラーム憲法にも大きな影響を与えた20世紀欧米における現代憲法の展開について、19世紀の近代憲法からの変化、及びその変化が生み出された政治、社会的背景を紹介しつつ考察する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
11 イスラーム共和国憲法@(イラン・イスラーム革命の展開):この回では、現イスラーム共和国体制をもたらした1979年のイラン・イスラーム革命について取り上げ、その政治、社会、思想史的背景を論じるとともに、同革命から現在に至るまでのイラン現代史を概説する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
12 イスラーム共和国憲法A(イスラーム共和国憲法と法学者の統治):この回では、イラン・イスラーム革命に伴い制定されたイスラーム共和国憲法に関して、その中核を占める理念である「法学者の統治」を中心に学習する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
13 イスラーム復興と憲法@(憲法の「イスラーム化」と権威主義体制):この回では、1970年代以後イスラーム圏で顕著な政治、社会的潮流となった「イスラーム復興」を取り上げるとともに、各国の体制がその流れをいかに取り入れたかについて、憲法改正に着目しつつ論じる。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
14 イスラーム復興と憲法A(体制への抵抗と憲法、イスラーム):この回では、西アジア諸国の多くを占める権威主義体制に対抗するためいかなる政治運動が展開されているか、憲法、イスラームといった理念に着目しつつ考察する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。
15 イラン立憲制史研究の現状と課題:この回では、講義全体のまとめとしてイラン立憲制史研究の現状を確認するとともに、その将来性及び今後の課題について探究する。 シラバス及び各回のスライドに挙げられる参考文献を講読し、授業内容を復習する。理解できない語句が出てきた場合には、参考文献に挙げた辞典などを調べて意味を確認する。

成績評価
観点→
成績評価方法
G_A-2
[修士:専修分野の知識と理解]
G_B-1-2b
[修士:実証的な歴史像、歴史・地理認識の提示]
G_B-2-1
[修士:知識・理解の深化と統合]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 64%。詳細は授業内で指示する。
授業への貢献度 36%。各日の授業の終わりに記入するリアクションペーパーなどによって評価する。

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)