人文科学府 人文基礎専攻 哲学・倫理学 分野
倫理学 専修
専修科目 (単位数 1)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
日本倫理学特論 VIIIA
Japanese Ethics (Specialized Lecture VIII)A
講義題目  西田幾多郎と田辺元の「非存在」の哲学
福岡大学人文学部 准教授 竹花 洋佑
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2025 秋クォータ
毎週 金曜2限
伊都イーストゾーン A-118 教室
E/J科目 (日本語, English)
更新情報 : 2025/10/2 (13:23)
授業の概要  近代日本を代表的哲学者であり、また「京都学派」の二つの柱である西田幾多郎(1870-1945)と田辺元(1885-1962)は、互いに批判し合い、かつそのことを通して互いに影響を与えながら、その思想を形成していったことはよく知られている。多岐にわたる両者の思想的争点の中心に置かれていたのは、無の問題であった。この授業では、この点に注目することで、西田と田辺がどのようにそれぞれの哲学を彫琢していったのか、そして両者の哲学の意義はどこにあるのかを捉えることを目指す。
 両者は共に「絶対無」を中心に据え、その哲学的意味をめぐって対立する。「絶対無」とは「いかなる意味でも存在としては理解されないもの」であるが、両者においてこれは相対的な意味での無、すなわち「存在しないが存在するものとして考えることが可能なもの」との対比において論じられる。これを「種」として理解し、それとの媒介においてのみ「絶対無」は可能であるとしたのが田辺であった。「絶対無」と「相対無」を共に「非存在」として理解し、それを西洋哲学における「非存在」の哲学との関係で捉えることを通して西田と田辺の無の哲学の可能性を把握していく。
 授業で取り上げるテーマはおよそ以下の通りである。
 ・西田幾多郎の純粋経験論と自覚の問題
 ・西田幾多郎の「場所」と「絶対無」
 ・田辺の西田批判の意味
 ・時間論における相対無(過去と未来)と絶対無(「永遠の今」としての現在)
 ・非存在としての田辺元の「種」概念
 ・死者の非存在性と田辺の「死の哲学」
 ・西洋哲学における「非存在」の問題
 ・「非存在」と志向性

(This course examines how two prominent philosophers of modern Japan, Nishida Kitaro (1870-1945) and Tanabe Hajime (1885-1962), who are the two pillars of the "Kyoto School," influenced each other and shaped their respective philosophies.)
キーワード : 西田幾多郎、田辺元、「非存在」、自覚、「場所」、「絶対無」、「永遠の今」、「種」
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 10月3日の授業はオンライン授業となります。Zoomのリンクはmoodleに掲載します。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業 授業資料の配布や課題の提出等Moodleを使用します。
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
G_A-2 [修士:専修分野の知識と理解]
過去の思想やその表現に対する批判的考察を通じて、人間存在を深く理解し、それを説明できる。
西田幾多郎と田辺元の哲学の相互影響関係の理解に基づいて、その共通点を対立点を的確に理解している。 西田幾多郎と田辺元の哲学の相互影響関係の理解に基づいて、その共通点を対立点を理解している。 西田幾多郎と田辺元の哲学の相互影響関係の理解に基づいて、その共通点を対立点について最低限理解している。 西田幾多郎と田辺元の哲学の相互影響関係の理解に基づいて、その共通点を対立点について理解していない。
G_B-1-2a [修士:文献の読解力]
それぞれの専門分野に固有の問題設定を理解し、研究手法を正しく身に付けて実践し、必要な史資料や文献を収集できる。
西田幾多郎と田辺元のテキストの内容を十分に理解し、かつそれを的確に日本語に表現できる。 西田幾多郎と田辺元のテキストの内容を理解し、かつそれを日本語に表現できる。 西田幾多郎と田辺元のテキストの内容を理解できるが、それを日本語で表現することにはやや難がある。 西田幾多郎と田辺元のテキストの内容を理解できていない。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
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九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 授業は基本的に講義を中心に行われますが、時折学生に問いを投げかけたり、または学生から質問をしてもらうなどして、理解を深めてきます。また、moodleで毎回質問や意見を記入してもらい、それについて次の授業で答えるようにします。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 簡単なレジュメを配布し、板書を用いて解説を行なっていきます。テキストについてはmoodleを通して配布します。
参考書 : 授業中に適宜指示します。
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 イントロダクション 
西田・田辺哲学研究の現況
授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
2 西田の純粋経験論ー『善の研究』の思想ー 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
3 西田幾多郎の自覚 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
4 西田の「場所」と「絶対無」(1) 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
5 西田の「場所」と「絶対無」(2) 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
6 田辺元の西田批判と田辺哲学の展開 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
7 「永遠の今」−西田と田辺の時間論−(1) 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
8 「永遠の今」−西田と田辺の時間論−(2) 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
9 「非存在」としての田辺元の「種」 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
10 死者の非存在性と田辺元の「死の哲学」(1) 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
11 死者の非存在性と田辺元の「死の哲学」(2) 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
12 西洋哲学における「非存在」の哲学との対比−シェリング・コーヘン− 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
13 西洋哲学における「非存在」の哲学との対比−ハイデガー・サルトル− 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
14 西洋哲学における「非存在」の哲学との対比−志向性の概念をめぐって− 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。
15 まとめ 授業を振り返って、疑問や意見をMoodleに記入すると同時に、配布されたテキストを熟読しておくこと。

成績評価
観点→
成績評価方法
G_A-2
[修士:専修分野の知識と理解]
G_B-1-2a
[修士:文献の読解力]
備考(欠格条件、割合等)
期末試験 60%
レポート 20%
授業への貢献度 20%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 「授業への貢献度」は、授業内での質問内容やその頻度、またMoodleで提出してもらう意見・質問の的確さによって評価される。
学習相談 学習相談 : 以下のアドレスにまず連絡してください。
takehana@fukuoka-u.ac.jp

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)