人文科学府 人文基礎専攻 哲学・倫理学 分野
哲学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
認識論特論 I
Epistemology (Specialized Lecture I)
講義題目  ドイツ観念論における形而上学と認識論の関係
福岡大学人文学部 准教授 飯泉 佑介
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2025 後期
毎週 金曜3限
伊都イーストゾーン B101(100) 教室
M/J科目 (日本語, German)
更新情報 : 2025/9/26 (17:12)
授業の概要  この講義は、19世紀初頭に展開したいわゆるドイツ観念論の哲学を形而上学と認識論との関係という観点から捉え直し、その全体像を描き出すことを目的とする。カントに端を発し、フィヒテ、シェリング、ヘーゲルらによって提示された哲学は、ライプニッツ=ヴォルフ学派やスピノザに代表される近世形而上学の枠組みと課題を継承しつつも、近代の懐疑主義や自然科学、社会思想の成果と課題を導入し、また古代ギリシャ哲学やキリスト教思想の着想を再導入することによって、伝統的な合理主義的哲学を抜本的に刷新したということができる。その中でも存在と知との連関に着目する本講義では、それぞれの哲学体系の核心を検討するだけでなく、カントの功績、フィヒテのカント受容、フィヒテとシェリングとの対決、ヘーゲルによるシェリング批判、ポストヘーゲル哲学の課題などに関わる諸論点を考察し、ドイツ観念論の可能性と限界を見極めたい。
 方法としては、哲学者たちが書き記したテキストを実際に読み、その思考を追跡するというアプローチを採用する。ドイツ観念論の特徴は、常に全体を見据えながら、自己矛盾さえ恐れず、どこまでも一貫させて一つ一つのステップを考え抜こうとするとする点にある。カントやヘーゲルらの哲学体系は、西洋哲学史の中でも屈指の難解さで知られるものの、彼らが抱えていた課題を押さえた上で、その思考の緻密な論理を丁寧に追い掛ければ、少なくともその要点を理解することは十分可能だと思われる。無論、その先にあるのは、「絶対的」な哲学を手放しに礼賛することでもなければ、個別的な論点を中途半端に考察して揚げ足を取ることでもない。形而上学や認識論を成り立たせている根幹を原理的に吟味しつつ、事柄に即して体系的に展開する知的態度を学ぶことが肝要である。

(This lecture examines the philosophical systems of German Idealism in terms of the relationship between metaphysics and epistemology. Subjects include a focus on achievements of Kant's transcendental philosophy, controversy between Fichte and Schelling, and development of Hegel's speculative philosophy. This class aims to offer an overview of the basic perspectives of possibility and limitation of human ability of knowing in German Idealism.)
キーワード :
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
G_A-2 [修士:専修分野の知識と理解]
当該分野における研究史と方法論を説明できる。
哲学史・哲学研究におけるドイツ観念論の特徴について十分な知識をもち、適切に説明することができる 哲学史・哲学研究におけるドイツ観念論の特徴について一定の知識をもち、説明することができる 哲学史・哲学研究におけるドイツ観念論の特徴について知識をもっているが、説明することができない 哲学史・哲学研究におけるドイツ観念論の特徴についての知識をもっていない
G_B-1-2a [修士:文献の読解力]
過去に蓄積された重要な文献、とりわけ古典を厳密かつ精確に読解し、先行研究を踏まえつつ批判的に考察することができる。
ドイツ観念論のテキストを極めて厳密に読解し、先行研究を踏まえつつ批判的に考察することができる ドイツ観念論のテキストを厳密に読解し、先行研究を踏まえつつ考察することができる ドイツ観念論のテキストを読解し考察することができる ドイツ観念論のテキストを読解し考察することができない
G_B-2-1 [修士:知識・理解の深化と統合]
専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法を獲得し、高度に専門的な知識を有機的に総合できる。
ドイツ観念論を学ぶことによって、哲学的な思考方法を十分に獲得し、哲学史や哲学研究のさまざまな高度な知識を有機的に統合して論文を作成することができる ドイツ観念論を学ぶことによって、哲学的な思考方法を獲得し、哲学史や哲学研究のさまざまな高度な知識を統合して論文を作成することができる ドイツ観念論を学ぶことによって、哲学的な思考方法に親しみ、哲学史や哲学研究のさまざまな知識を関連づけて論文を作成することができる ドイツ観念論を学ぶことによって、哲学的な思考方法に親しむことができず、哲学史や哲学研究の知識を関連づけて論文を作成することができない
D_A [博士:専修分野の知識と理解]
当該分野における研究史と方法論を体系的に説明できる。
ドイツ観念論の研究史と研究方法について十分な知識をもち、適切に説明することができる ドイツ観念論の研究史と研究方法について一定の知識をもち、説明することができる ドイツ観念論の研究史と研究方法について知識をもっているが、説明することができない ドイツ観念論の研究史と研究方法について知識をもっていない
D_B-1 [博士:知識・理解の深化と統合]
専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法を獲得し、高度に専門的な知識を有機的に総合し、大きな規模で、提示できる。
ドイツ観念論を学ぶことによって、哲学的な思考方法を十分に獲得し、哲学史や哲学研究のさまざまな高度な知識を有機的に統合し、大きな規模で提示することができる ドイツ観念論を学ぶことによって、哲学的な思考方法を獲得し、哲学史や哲学研究のさまざまな高度な知識を統合し、一定の規模で提示することができる ドイツ観念論を学ぶことによって、哲学的な思考方法に親しみ、哲学史や哲学研究のさまざまな知識を関連づけて提示することができる ドイツ観念論を学ぶことによって、哲学的な思考方法に親しむことができず、哲学史や哲学研究の知識を関連づけて提示することができない
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)
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授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 担当教員による板書とレジュメを用いた講義です。毎回、リアクションペーパーを書いて提出してもらいます。次の回の冒頭では、前回の授業内容の復習を行うとともに、いくつかの優れたリアクションペーパーを紹介し、教員からフィードバックを行います。講義ではありますが、学生が主体的に考える学修姿勢が求められます。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 板書、レジュメ(電子媒体)
※必要な人にのみ、紙媒体のレジュメを配布する予定です。
参考書 :
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 イントロダクション――ドイツ観念論とは何か シラバスを熟読し、西洋哲学史の基礎を確認しておく
2 カントの功績@――一般形而上学とコペルニクス的転回 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
3 カントの功績A――理念としての魂、世界、神 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
4 カントの限界とその逆説 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
5 フィヒテ知識学の出発点――カントの継承@ 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
6 フィヒテの実践哲学――カントの継承A 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
7 フィヒテ知識学の限界――自然、倫理、絶対者 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
8 シェリング自我哲学の意義――自我と存在をめぐって 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
9 シェリング自然哲学と並行論 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
10 シェリング同一哲学の到達点――絶対者をめぐって 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
11 ヘーゲル「精神現象学」の意義――意識、歴史、絶対知 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
12 ヘーゲルの思弁哲学の展開 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
13 後期シェリング哲学とヘーゲル批判 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
14 ポスト・ヘーゲル哲学の問題圏 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する
15 まとめ 予習:レジュメや関連する書籍に基づいて、授業で扱う哲学について調べておく
復習:授業内容を再構成し、疑問点や意見を明確にした上で、リアクションペーパーを作成し提出する

成績評価
観点→
成績評価方法
G_A-2
[修士:専修分野の知識と理解]
G_B-1-2a
[修士:文献の読解力]
G_B-2-1
[修士:知識・理解の深化と統合]
D_A
[博士:専修分野の知識と理解]
D_B-1
[博士:知識・理解の深化と統合]
備考(欠格条件、割合等)
小テスト 40%
レポート 40%
授業への貢献度 20%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった

成績評価基準に関わる補足事項 : 「小テスト」と表示されているものは、実際には「リアクションペーパー」です。概念や思想についての理解の正確性、テキスト解釈の的確さとともに、自ら問題を見出し批判的に吟味する姿勢を評価します。
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)