文学部 人文学科 文学コース 英語学・英文学 専門分野 専門分野科目 (単位数 2) 選択科目 対象学年: 対象学部等: |
English Literature (Lecture V)
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科目ナンバリングコード: LET-HUM4570J 講義コード: 2024 前期 集中 伊都イーストゾーン 教室 E/J科目 (日本語, English) |
授業の概要 |
【授業のテーマ】ウィリアム・ホガースと18世紀イギリス社会 ー 版画・絵画から見える都市ルネサンス 【内容】この授業は、イギリスの版画家・画家であったウィリアム・ホガース(1697年−1764年)の版画を中心にしてはイギリス18世紀の文学や文化・社会を学びます。 ホガースは、近代化を遂げていくイギリスを象徴する都市ロンドンの繁栄と同時に、その背後にある犯罪や貧困など負の側面にも目を向け、諷刺的な視線を織りまぜながら社会を活き活きと描きだしていきました。本授業では主なホガース作品を確認しながら、その意義と魅力をイギリス18世紀の文学や社会、さらには歴史の中に位置づけながら検証していきます。 18世紀のイギリスは、17世紀末の金融革命を経ると同時に、「財政軍事国家」と言われる積極的な財政政策と軍備増強、対外戦争、その結果としての植民地拡張と海外貿易の推進によって、前例のない経済の活性化を経験することになりました。富の蓄積と環流によって消費文化が花開く一方で、風俗紊乱と貧富の格差拡大といった問題が社会の中で意識されていきます。1666年の大火後のロンドンでは再建と整備が進められ、スクエアを中心にした幾何学的で啓蒙的な都市空間が構築されていきますが、その一方でシティの通りでは雑踏がひしめき、犯罪や買春が横行し、裏通りや郊外には法権力に抵抗する勢力がはびこることになります。名誉革命後に議会政治が確立されたとみなされがちですが、選挙では賄賂などの腐敗が跋扈し、貴族をヒエラルキーの上層に位置づけた階級社会が、民主主義や自由の理念を有名無実なものと化してしまう状況が生まれていました。 そうした相矛盾する、あるいは混沌とした社会の実態を、ホガースの版画は繊細かつ鋭利に写し取っています。寓話的でありながら現実主義的なまなざしを備え、諷刺的でありながら写実的な描写を保ったその絵は、鑑賞するものに細部まで含めた解釈を要求し、社会が抱え込んだ矛盾や軋轢、亀裂や不協和音について、私たちに問いかけてきます。 授業では、学際的なアプローチから歴史、社会、美術、文学などについて研究し、調査することの意義を学んでいきます。歴史学や美術史、経済史や社会法制史、文化史や文学など興味や関心は多様で構いません。それぞれの立場からホガースの版画から読み取れるものを解き明かしていくことを目的とします。毎回ホガースの版画のなから1つの作品を重点的に取り上げ、そこから見える18世紀のイギリス社会の文化と文学の関係を解きほぐしていきます。 履修者はそれぞれ課題とする作品を選択してもらい、それらについての解釈を試みることで、それぞれの立場からその歴史的な意味について考えてもらいます。 【スケジュール】 第1回 序論 ホガースとロンドン ロンドン大火後の都市計画 《勤勉と怠惰》第12図〈ロンドン市長就任パレード〉 第2回 ロンドンの建築様式 ― 《勤勉と怠惰》第6図〈結婚〉 第3回 金融革命 ― 《南海バブル》 第4回 都市ルネサンス化における社交と歓楽 《ビール街》 第5回 腐敗する政治 ― 《選挙》第2図 選挙運動 第6回 多様化し、俗化する宗教 ― 《盲信、迷信、狂信、烏合の会衆》 第7回 移民のロンドン ― 《1日のうちの4つの時》〈昼〉 第8回 18世紀の女性にとっての結婚とは? ― 《当世風結婚》第1図〈結婚の契約〉 第9回 性と性病の悩み ― 《1日のうちの4つの時》〈朝〉 第10回 動物虐待の実態 ― 《残虐の4段階》第2段階 第11回 犯罪の巣窟としてのロンドン ― 《放蕩息子一代記》第7段階〈監獄〉 第12回 深刻化する貧困問題 ― 《1日のうちの4つの時》〈夜〉 第13回 啓蒙を象徴する病院 ― 《放蕩息子一代記》第8図〈精神病院〉 第14回 まとめ () | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キーワード : | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
履修条件 : 履修に必要な知識・能力 : | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特記事項 |
9月24日(火)〜27日(金)の期間に行う集中講義になります。 履修希望者は以下のGoogle Classroomに登録をお願いします。授業で用いる資料(抜粋を副務)をすべてアップロードしておりますので、事前にご登録の上、資料をご確認ください。 【登録】https://classroom.google.com/c/NTUyOTY3NzUyNDQ0?cjc=6ebatgo 【資料アクセス】https://drive.google.com/drive/u/1/folders/1XZVIFhmR07tmzaKYL0j4jcfGEaNRmJ4O-mJly7qFO3bCckIHR8x7-2Fe3Uz5jLdx19mlpvUo
教職 : 資格 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
到達目標 |
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
授業方法 |
テキスト : 事前に配布予定。 参考書 : 事前にリストを配布。 授業資料 : https://drive.google.com/drive/u/1/folders/1XZVIFhmR07tmzaKYL0j4jcfGEaNRmJ4O-mJly7qFO3bCckIHR8x7-2Fe3Uz5jLdx19mlpvUo 授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
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成績評価 |
GPA評価
成績評価基準に関わる補足事項 : 出席と発言・授業態度 50%、発表25%、レポート25% | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学習相談 |
学習相談 : 授業以外での学習に当たって : 合理的配慮について : 障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。 <相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階) (電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp) |