文学部 人文学科 歴史学コース 西洋史学 専門分野 専門分野科目 (単位数 1) 選択必修科目 対象学年: 対象学部等: |
European History (Lecture III)B
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科目ナンバリングコード: LET-HUM2433J 講義コード: 2024 夏クォータ 毎週 木曜4限 伊都イーストゾーン A117 教室 M/J科目 (日本語, German) |
授業の概要 |
1970年代以降、西ドイツ歴史学界を席巻した「ドイツ特有の道」論は、英仏を中心とする「西欧」近代に対するドイツ近代の「特殊性」≒「後進性」を指摘し、そこにナチズムへの道を見出すものだった。ただしこうした議論に対しては、現在に至るまで様々な疑問や批判が投げかけられている。 本講義では「西欧」との比較ではなく、敢えて「東方」との関係という視座から、ドイツ近現代史の諸問題を考えてみたい。東欧やロシア、オリエント世界を経て、アジアへと続く「東方(Osten)」は、ドイツ近現代史においてどのような意味をもつ(あるいは、どのような意味を付与されてきた)のだろうか。この点を明らかにすることは、東アジア、日本、そして九州の地(さらには伊都キャンパス・"イーストゾーン")でヨーロッパやドイツの歴史を学ぶ意義を問い返す作業にもつながるだろう。 (This course provides an in-depth examination of specific aspects of Modern and Contemporary European History. The course also touches on relevant topics in the "Osten" in Modern and Contemporary German History.) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キーワード : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
履修条件 : 履修に必要な知識・能力 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特記事項 |
この科目はEU研究ディプロマプログラム(EU-DPs)開講科目に該当する。同プログラムについて、詳しくは以下のサイトを参照のこと。http://eu.kyushu-u.ac.jp/indexjp.html
教職 : 教職(社会)(地理歴史) 資格 : | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
到達目標 |
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
授業方法 |
テキスト : 参考書 : E・H・カー(富永幸生訳)『独ソ関係史:世界革命とファシズム』(サイマル出版会、1972年) ユーリー・コスチャショーフ(橋本伸也/立石洋子訳)『創造された「故郷」:ケーニヒスベルクからカリーニングラードへ』(岩波書店、2019年) ハインツ・ゴルヴィツァー(瀬野文教訳)『黄禍論とは何か:その不安の正体』(中央公論新社、2010年) ジェフリー・ハーフ(星乃治彦/臼杵陽/熊野直樹/北村厚/今井宏昌訳)『ナチのプロパガンダとアラブ世界』(岩波書店、2013年) 浅田進史『ドイツ統治下の青島:経済的自由主義と植民地社会秩序』(東京大学出版会、2011年) 磯部裕幸『アフリカ眠り病とドイツ植民地主義:熱帯医学による感染症制圧の夢と現実』(みすず書房、2018年) 伊藤定良『異郷と故郷:ドイツ帝国主義とルール・ポーランド人』(東京大学出版会、1987年) 伊藤定良『ドイツの長い一九世紀:ドイツ人・ポーランド人・ユダヤ人』(青木書店、2002年) 伊藤定良『近代ドイツの歴史とナショナリズム・マイノリティ』(有志舎、2017年) 大井知範『世界とつながるハプスブルク帝国:海軍・科学・植民地主義の連動』(彩流社、2016年) 大津留厚『青野原俘虜収容所の世界:第一次世界大戦とオーストリア捕虜兵』(山川出版社、2007年) 川喜田敦子『東欧からのドイツ人の「追放」:二〇世紀の住民移動の歴史のなかで』(白水社、2019年) 衣笠太朗『ドイツ帝国の解体と「未完」の中東欧:第一次世界大戦後のオーバーシュレージエン/グルヌィシロンスク』(人文書院、2023年) 工藤章『ドイツ資本主義と東アジア 1914-1945』(桜井書店、2023年) 工藤章/田嶋信雄編『日独関係史 一八九〇-一九四五』(全3巻、東京大学出版会、2008年) 熊野直樹『麻薬の世紀:ドイツと東アジア 一八九八-一九五〇』(東京大学出版会、2020年) 熊野直樹/田嶋信雄/工藤章編『ドイツ=東アジア関係史 一八九〇-一九四五 : 財・人間・情報』(九州大学出版会、2021年) 今野元『マックス・ヴェーバーとポーランド問題:ヴィルヘルム期ドイツ・ナショナリズム研究序説』(東京大学出版会、2003年) 今野元『多民族国家プロイセンの夢:「青の国際派」とヨーロッパ秩序』(名古屋大学出版会、2009年) 佐藤成基『ナショナル・アイデンティティと領土:戦後ドイツの東方国境をめぐる論争』(新曜社、2008年) 杉原達『オリエントへの道:ドイツ帝国主義の社会史』(藤原書店、1990年) 田嶋信雄/工藤章編『ドイツと東アジア 一八九〇-一九四五』(東京大学出版会、2017年) 谷喬夫『ナチ・イデオロギーの系譜:ヒトラー東方帝国の起原』(新評論、2012年) 富永幸生『独ソ関係の史的分析 1917-1925』(岩波書店、1979年) 永岑三千輝『独ソ戦とホロコースト』(日本経済評論社、2001年) 野村真理『ガリツィアのユダヤ人:ポーランド人とウクライナ人のはざまで』(人文書院、2008年) 水野博子/川喜田敦子編『ドイツ国民の境界:近現代史の時空から』(山川出版社、2023年) 山中敬一『プロイセン皇孫日本巡覧と吹田遊猟事件:ドイツ帝国東アジア進出と治外法権外交』(成文堂、2022年) その他、授業中に適宜紹介する。 授業資料 : 資料等はMoodleで配布する。 授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
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成績評価 |
GPA評価
成績評価基準に関わる補足事項 : Moodleを利用するため、ネットを利用できるPCの持参が必要となる。またMoodleによる質問・感想の提出は、授業終了後30分で締め切るため注意すること。 レポート作成にあたっては、使用した資料の著者名、文献名、出版社、出版年を必ず明記すること。Webサイト等を利用した場合は、そのURLと最終確認年月日を記載すること。 特に文献やWebから文章を引用する場合、カギ括弧でくくるなど、レポート本文と区別した上で、出典を必ず明示すること。引用した文章をそのまま本文として使用することは剽窃(ひょうせつ)と呼ばれる禁止行為であり、著作権法違反にも該当する。 また不正受験行為と認定されれば、当該行為が行われた期の科目履修を、実験、実習、実技科目を除き、原則としてすべて無効とする措置がとられる場合があるので、細心の注意を払うこと。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学習相談 |
学習相談 : オフィスアワーのほか、必要であれば個別に面談(その際、事前に連絡すること)。 授業以外での学習に当たって : 合理的配慮について : 障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。 <相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階) (電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp) |