文学部 人文学科

人文学科共通科目 (単位数 2)
専攻必修科目
対象学年:
対象学部等:
西洋古典学講義 III
Occidental Classics (Lecture III)
講義題目  約束・信頼・裏切りのラテン文学  ― fides を手がかりに古代ローマの人間関係を読む ―
早稲田大学イタリア研究所招聘研究員 宮坂 真依子
科目ナンバリングコード: LET-HUM4091J
講義コード:
2026 後期
毎週 金曜2限
伊都イーストゾーン リモート授業 教室
M/J科目 (日本語, ラテン語)
更新情報 : 2026/10/8 (11:05) 〔1月8日の対面授業の教室については、後日教務から通知があると思いますので、注意して確認してください。
オンライン授業のアクセス情報です。
Microsoft Teams 会議
参加URL: https://teams.microsoft.com/meet/471215755519849?p=OApKFTM8AZQuKNT6BC
会議 ID: 471 215 755 519 849
パスコード: Cg7xi9Sb〕
授業の概要 <授業全体を貫く問い>
なぜ人間は他者を信頼し、なぜその信頼は裏切られるのか。そして文学は、そうした人間関係をどのように描き出すのか。

<概要>
上記の問いを、ラテン語の fides という言葉に着目しながら、ラテン文学のいくつかの作品(紀元前3世紀後半の喜劇、紀元前後1世紀の叙事詩等の韻文作品)を対象に、検討・分析していく授業です。
fides は、英語の faith, フランス語の fidélité 等の言葉の語源となっている語であり、古代ローマ社会においては様々な場面で用いられていました。近現代になって、法律学・政治学・歴史学・宗教学・言語学・考古学など、さまざまな学問領域から多くの研究者がその解明に取り組んできたことからも、その重要性は一目瞭然です。本授業では、文学的な視点から、この fides について、実際の作品に触れながら、受講生の皆さんと一緒に考えていきます。
古代ローマの古典作品に触れる中で、時間的・地理的に遠く離れた現代日本に住む私たちにとっても、これらの古典作品は、決して遠い世界の物語ではなく、同じ人間として共感や理解することのできる、人間の普遍性を備えた優れた作品であることを感じてもらえるのではないかと考えています。

(
Why do people trust others, and why is that trust sometimes betrayed? And how does literature depict such human relationships?


This course examines and analyses the above question by focusing on the Latin word 'fides', using several works of Latin literature (including comedies from the latter half of the 3rd century BCE and epic verses from the 1st century BCE/AD) as case studies.
‘Fides’ is the root of words such as the English ‘faith’ and the French ‘fidélité’, and was used in various contexts within ancient Roman society. Its importance is self-evident, as evidenced by the fact that, in modern and contemporary times, numerous researchers from diverse academic fields—including law, political science, history, religious studies, linguistics and archaeology—have endeavoured to elucidate its meaning. In this course, we will explore the concept of 'fides' from a literary perspective, examining actual works.
I believe that, as we engage with these classical works of ancient Rome, even for us living in modern-day Japan—far remoted in both time and geography—these classics are by no means tales from a distant world; rather, they are outstanding works imbued with human universality, capable of evoking empathy and understanding in us as fellow human beings.

Textbook: Maiko Miyasaka, 2026. Fides as Literary Motifs in Latin Literature. Tokyo: Kokusai Shoin.
Supplementary reading: Hiroyuki Takahashi, 2008. An Introduction to the History of Latin Literature (Series: An Introduction to the History of Literature 7. Kyoto: Minerva Shobo.)
キーワード : ラテン文学 古代ローマ fides 人間関係 人間の普遍性
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : ラテン語の知識は必須ではありません。
特記事項 ・当授業はオンライン授業ですが、一方的な講義ではなく、双方向的なゼミ形式の授業を想定しています。したがって、授業中は特段の事情がない限りカメラをオンにして、当てられた際にはすぐに発言できるような状態にしておいてください。(事情がある場合には、事前に教員に相談してください。)

・基本的にはオンライン授業ですが、1月8日の2限と4限に、1月8日と1月14日分の授業を対面形式で行う予定です。その際には、受講者に主体になって発表をしてもらいたいと考えていますので、特段の事情がない限りは、参加してください。

・単位に関しては、授業で詳しく話しますが、毎回の授業への積極的な参加態度、対面授業時の発表、課題への取り組みを総合的に判断して評価します。質問や相談事項があれば、講師に相談してください。
遠隔/対面 Moodle 情報
● 対面授業 Moodleの「2026年度後期・金2・西洋古典学講義 III,西洋古典文学特論 III」のコースに登録してください。

オンライン授業のアクセス情報です。
Microsoft Teams 会議
参加URL: https://teams.microsoft.com/meet/471215755519849?p=OApKFTM8AZQuKNT6BC
会議 ID: 471 215 755 519 849
パスコード: Cg7xi9Sb
● リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_A-1 [主体的な学び]
古代ローマ社会における fides の多様な意味と機能を、積極的な学習を通して理解することができる。
自ら問いを立て、積極的に調査・考察を深めることができる。 自ら課題に取り組み、主体的に考察できる。 与えられた課題に取り組み、自分なりの考えを示せる。 課題への取り組みや、自ら考える姿勢が十分ではない。
U_C-1-1 [文献分析力]
ラテン文学作品の具体的な叙述を根拠として、人物間の関係や文学的表現を分析できる。
作品の叙述や表現に着目し、根拠を示しながら独自の解釈を論理的に展開できる。 作品の叙述や表現を根拠として、適切な分析・考察ができる。 作品の内容を理解し、具体的な記述に基づいて基本的な考察ができる 作品の理解や、記述に基づく考察が十分ではない。
U_C-2-1 [知識・理解の深化と統合]
文学作品における fides の描かれ方を、ジャンルや作品の特徴に即して比較できる。
fides に関する知識を複数の作品と関連づけ、その多様なあり方を総合的に考察できる。 fides に関する知識を作品間で関連づけ、理解を深めることができる。 fides の基本的な意味や特徴を理解し、個々の作品について説明できる。 fides の基本的な意味や、作品における特徴の理解が十分ではない。
U_D [他者を尊重する公平な姿勢]
他の受講者との議論を通じて、自分の解釈を検証し、他者に対して論理的に説明できる。
他者の多様な解釈を尊重し、それらを踏まえて議論を発展させることができる。 他者の意見を尊重し、異なる解釈を踏まえて自分の考えを深められる。 他者の意見に耳を傾け、異なる解釈を尊重できる。 他者の意見や異なる解釈を十分に尊重できていない。
応用力・適応力の育成
古典作品を通して、その普遍性を学び、現代社会に生きる自身を取り巻く事象に適応して考えることができる。
授業で得た知識や分析方法を未知の作品や現代的な問題にも応用し、新たな視点を提示できる。 学んだ知識や分析方法を別の作品や問題に応用できる。 学んだ知識や分析方法を類似した作品や問題に活用できる。 学んだ知識や分析方法を他の作品や問題に活用することが難しい。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府歴史空間論専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
● 講義 ・オンライン同時中継の授業で、基本的には担当教員による解説ですが、時折、学生との問答と通じて、関連の知識を深めていく可能性もあります。ビデオは特段の事情がない限りは、オンにしてください。
・2回分の授業を1月8日に対面で行い、そこでは事前に課題に出しておいて問題について、発表をしてもらう予定です。その際には、学生同士の対話や意見交換なども行いながら考えを深めていく姿勢が求められます。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
● 学生のプレゼンテーション
● Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : テキスト:宮坂真依子著『ラテン文学における文学的モチーフとしてのfides』(2026年、国際書院)
参考書 : 参考文献:高橋宏幸著『はじめて学ぶラテン文学史 (シリーズ・はじめて学ぶ文学史 7)』(2008年、ミネルヴァ書房)
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 導入:ウェルギリウス『アエネーイス』第4歌ディードーの物語を通じた問題提起、自己紹介等 ○ オンライン同時中継
2 fides 概論:語義、古代ローマ社会、文学的モチーフとしての機能 ○ オンライン同時中継
3 プラウトゥス『綱引き』:lenoのfidesとクリエンテーラ関係 ○ オンライン同時中継
4 プラウトゥス『ほらふき兵士』:賢い奴隷のfidesと主従関係 ○ オンライン同時中継
5 プラウトゥス『捕虜』:幼馴染の主従間のfides。3作品の比較 ○ オンライン同時中継
6 カトゥッルス第64歌:迷宮と糸、神々と人間のfides、作品構造 ○ オンライン同時中継
7 叙事詩の伝統と『アエネーイス』におけるfides ○ オンライン同時中継
8 『アエネーイス』第4歌:ディードーとの重層的な関係性 ○ オンライン同時中継
9 『アエネーイス』第8歌:エウアンドロスとの主客関係 ○ オンライン同時中継
10 『アエネーイス』第7歌、第9歌:「右手の誓い」と fides ○ オンライン同時中継
11 第4歌と第8歌の比較・年末の総括と冬休み課題 ○ オンライン同時中継
12 『アエネーイス』第4歌:日本語訳による共同読解(1月8日・2限) 対面演習
13 文学と法から考える関係の成立、fides、裏切り(1月8日・4限) 対面演習
14 喜劇と叙事詩の比較:fidesはいかなる文学的効果を生むか(1月22日) ○ オンライン同時中継
15 総括:fides からラテン文学を読み直す ― 各作品を横断して考察する ― ○ オンライン同時中継

成績評価
観点→
成績評価方法
↓
U_A-1
[主体的な学び]
U_C-1-1
[文献分析力]
U_C-2-1
[知識・理解の深化と統合]
U_D
[他者を尊重する公平な姿勢]

応用力・適応力の育成
備考(欠格条件、割合等)
授業への貢献度 ◎ ○ ○ ◎ ○ 50%
プレゼンテーション ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 25%
レポート ○ ◎ ◎ ◎ 25%
出席 2/3 以上の出席は必須(欠格条件)

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : ・15回のうち13回はオンライン授業の予定ですが、双方向授業を行うため、特段の理由がない限りはビデオオンで参加することが、「出席」の条件となると考えてください。事情がある場合には、直接講師に相談してください。

・1月8日の2限と4限に、1月8日、1月14日(金曜授業振替日)分の2コマ授業を対面で行う予定です。対面授業でのプレゼンテーションは、冬休み休暇中に出す課題に基づいて行う予定です、基本的には対面授業への参加も必須と考えてください。事情により参加できない場合には、直接講師に相談してください。
学習相談 学習相談 : 質問があれば、大学メールまたはMoodle 等から送ってください。できるだけ早めに返信するつもりです。

授業以外での学習に当たって : 文学作品を元に分析を行なっていくため、邦訳で良いので、元の作品を、概要だけでもあらかじめ知っておくことが好ましいです。
特に、年末年始休暇中に、ある程度まとまった文章を読んで、考えをまとめるという課題を出し、それを元に、対面授業で発表を行なってもらう予定です。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)