文学部 人文学科 歴史学コース
西洋史学 専門分野
専門分野科目 (単位数 1)
選択必修科目
対象学年:
対象学部等:
ヨーロッパ史学演習 XIIB
European History (Seminar XII)B
講義題目  個人史から考える「ファシスト・インターナショナル」II
准教授 今井 宏昌
科目ナンバリングコード: LET-HUM2448J
講義コード:
2026 冬クォータ
毎週 月曜3限
伊都イーストゾーン 西洋史研 教室
M/J科目 (日本語, German)
更新情報 : 2026/4/4 (17:07)
授業の概要  近年の歴史学では、グローバル・ヒストリーの視角を背景に、ファシズムを国民国家単位で完結した現象としてではなく、国境を越えた相互作用や協力関係の中で捉え直そうとする研究動向が強まっている。「ファシスト・インターナショナル」論と呼ばれるこの潮流においては、ファシズムをはじめ、権威主義や保守主義、反自由主義が交錯する流動的状況のもと、理念や実践が各国の政治的・社会的文脈へといかに「翻訳」され、異なる形で表象・機能したのかに注目が集まっている。
 本演習では、この「ファシスト・インターナショナル」の問題を個人史の方法を用いて検討した大著、マルティン・フィンケンベルガー『ヨハン・フォン・レールス(1902-1965):ヒトラー、ペロン、ナーセルに仕えたプロパガンディスト』(2023年)をテキストとして採用する。レールスはナチズムを代表する反ユダヤ主義(反セム主義)のプロパガンディスト(宣伝家)であり、ヨーゼフ・ゲッベルスの右腕としても重用され、ヒトラー内閣成立後にはイェーナ大学の歴史学教授となった。第二次世界大戦後、アメリカ軍の手を逃れてイギリス占領地区で偽名を使って暮らしていたレールスは、東西ドイツ建国後の1950年、フアン・ペロン政権下のアルゼンチンへと逃亡し、そこでも反ユダヤ主義のプロパガンダ活動を継続した。さらにエジプトへと拠点を移した彼は、1957年にイスラーム教に改宗し、以降「オマール・アミーン」を名乗る。そしてガマール・アブドゥル=ナーセル政権下のエジプト情報省で反イスラエル・反シオニズムのプロパガンダを指揮した。
 演習中は⽂法の確認のほか、歴史的な背景や⽂脈、歴史⽤語や専⾨⽤語などを適宜解説する。

(In this seminar, students will continue to develop their knowledge and reading skills in history. Students need to interpret an essay and documents written in German on the "Examining the ‘Fascist International’ through Personal History" for their presentations.)
キーワード :
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 出席は演習への参加を通じて確認する。
西洋史学研究室外からの参加者は、履修に際し必ず事前に相談すること。
連絡先:imai*lit.kyushu-u.ac.jp(*は@)

この科目はEU研究ディプロマプログラム(EU-DPs)開講科目に該当する。同プログラムについて、詳しくは以下のサイトを参照のこと。http://eu.kyushu-u.ac.jp/indexjp.html
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(社会)(地理歴史)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_A-1 [主体的な学び]
深い専門的知識と豊かな教養を背景とし、自ら問題を見出し、創造的・批判的に吟味・検討することができる。
深い専門的知識と豊かな教養を背景とし、自ら問題を見出し、創造的・批判的に吟味・検討することができる。 深い専門的知識と豊かな教養を背景とし、自ら問題を見出し、創造的・批判的に吟味・検討することがある程度できる。 深い専門的知識と豊かな教養を背景とし、自ら問題を見出す。 深い専門的知識と豊かな教養を背景とし、自ら問題を見出せない。
U_B-3b [歴史学コース固有の課題]
先行研究を批判的に読む中で自らの問題関心を鋭敏にし、史・資料を解読し史跡を調査することにより、自らの視角から、ある特定の地域と時代の社会像を復原できる。
先行研究を批判的に読む中で自らの問題関心を鋭敏にし、史・資料を解読し史跡を調査することにより、自らの視角から、ある特定の地域と時代の社会像を復原できる。 先行研究を批判的に読む中で自らの問題関心を鋭敏にし、史・資料を解読し史跡を調査することにより、自らの視角から、ある特定の地域と時代の社会像をある程度復原できる。 先行研究を批判的に読む中で自らの問題関心を鋭敏にし、史・資料を解読し史跡を調査することができる。 先行研究を批判的に読む中で自らの問題関心を鋭敏にし、史・資料を解読し史跡を調査することができない。
U_C-1-1 [文献分析力]
それぞれの専門分野の基本文献を正確に解釈、分析することができる。
専門分野の基本文献を精確に解釈、分析することができる。 専門分野の基本文献を解釈、分析することがある程度できる。 専門分野の基本文献を邦訳することができる。 専門分野の基本文献を邦訳することができない。
U_C-1-4 [外国語運用能力]
外国語の運用能力を高め、自らの考えを表現できる。また、自らが所属する専門分野が扱わない外国語を学び、言語の多様なあり方を説明できる。
外国語の運用能力を高め、自らの考えを表現できる。また、自らが所属する専門分野が扱わない外国語を学び、言語の多様なあり方を説明できる。 外国語の運用能力を高め、自らの考えを表現できる。また、自らが所属する専門分野が扱わない外国語を学び、言語の多様なあり方をある程度説明できる。 外国語の運用能力を高め、自らの考えを表現できる。 外国語の運用能力を高め、自らの考えを表現できない。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府歴史空間論専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻・カリキュラムマップ(2025年度版)
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : Martin Finkenberger, Johann von Leers (1902–1965). Propagandist im Dienste von Hitler, Perón und Nasser, Göttingen 2023.
参考書 : ゼバスティアン・コンラート(小田原琳訳)『グローバル・ヒストリー:批判的歴史叙述のために』(岩波書店、2021年)
エマニュエル・ティエボ(河村真紀子訳) 『ヒトラーとプロパガンダ:ナチスと連合国のイメージ戦争(ヴィジュアル版)』 (原書房、2024年)
ジェフリー・ハーフ(星乃治彦/臼杵陽/熊野直樹/北村厚/今井宏昌訳)『ナチのプロパガンダとアラブ世界』(岩波書店、2013年)
ダニエル・ヘディンガー(清水雅大監訳)『枢軸 : ベルリン・ローマ・東京 1919-1945年』(人文書院、2025年)
ワルター・ラカー(柴田敬二訳)『ファシズム:昨日・今日・明日』(刀水書房、1997年)
浅田進史/板橋拓己/香月恵里編『岐路に立つドイツの「過去の克服」 :イスラエル・パレスチナ紛争からの問い』(大月書店、2025年)
石田憲『地中海新ローマ帝国への道:ファシスト・イタリアの対外政策 1935-39』(東京大学出版会、1994年)
石田憲『日独伊三国同盟の起源:イタリア・日本から見た枢軸外交』(講談社、2013年)
熊野直樹『麻薬の世紀:ドイツと東アジア 1898-1950』(東京大学出版会、2020年)
佐藤卓己『増補 大衆宣伝の神話:マルクスからヒトラーへのメディア史』(筑摩書房、2014年)
高橋秀寿『反ユダヤ主義と「過去の克服」:戦後ドイツ国民はユダヤ人とどう向き合ったのか』(人文書院、2023年)
田嶋信雄『ナチズム外交と「満洲国」 』(千倉書房、1992年)
田嶋信雄『ナチズム極東戦略:日独防共協定を巡る諜報戦』(講談社、1997年)
田嶋信雄/田野大輔編『極東ナチス人物列伝:日本・中国・「満洲国」に蠢いた異端のドイツ人たち』(作品社、2021年)
田野大輔/小野寺拓也編『「悪の凡庸さ」を問い直す』(大月書店、2023年)
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 テキストに関する説明 演習
2 テキストの読解 演習
3 テキストに関する討論 演習

成績評価
観点→
成績評価方法
U_A-1
[主体的な学び]
U_B-3b
[歴史学コース固有の課題]
U_C-1-1
[文献分析力]
U_C-1-4
[外国語運用能力]
備考(欠格条件、割合等)
プレゼンテーション 60%ほど。
授業への貢献度 40%ほど。
出席 5回以上(クォーターの場合は3回以上)の欠席は除籍とする。

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : やむを得ない事情で欠席する場合、メール等で教員まで連絡すること。
学習相談 学習相談 : オフィスアワーのほか、必要であれば個別に面談(その際、事前に連絡すること)。

授業以外での学習に当たって : 毎週テキストの指定部分を事前に通読し、不明な点や疑問に思う点などを予め確認しておくこと。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)