心理学研究室
「こころ」とは何かを科学的に追究する
心理学という学問は、一般に、ヒトやその他の動物の行動を支えている内的過程(こころ)のメカニズムを実証的な手続きによって解明することを目標としている。心理学で扱う「こころ」に関する問題には様々なものが存在するが、本研究室では特に、感覚・知覚、記憶・思考・情動、個人差といった基礎的なテーマについて研究している。すなわち、人間が外界から情報をどのように受容し、処理・統合し、評価しているか、その情報処理プロセスとメカニズムを実験・調査・シミュレーションによって解明するといった研究を行っている。
具体的には、感覚・知覚の領域では、特に視覚に関わる空間知覚、眼球運動、視覚イリュージョン、色、明るさといった問題を扱い、記憶・思考・情動の領域では、画像や言語情報の認知過程、知識の構造及びその運用のしくみ、認知過程と情動との関係、また個人差の領域では、学力やパーソナリティ特性の測定方法といった問題を扱っている。
さらに、本研究室では、基礎的研究によって得られた知見を利用して、芸術学や建築学と関連のある感性研究、法学と関連のある目撃者記憶研究、医学と関連のある高次脳機能研究、コンピュータ科学や統計科学と関連のあるコンピュータテスト研究といった、応用を中心とした学際的研究にも積極的に取り組んでいる。
また本研究室では、国家資格として制定された「公認心理師」に対応したカリキュラムを整備しており、受験資格取得のために大学で修める必要がある授業科目を提供している(詳しくは学生便覧等を参照)。
教員
中村 知靖 (NAKAMURA Tomoyasu) 心理学講座/教授
- 専門
計量心理学、テスト理論、多変量データ解析 - 専門分野
能力や性格を測定するための質問紙法による心理テストの開発ならびにテストに関する統計的方法の開発を研究テーマとしている。具体的には、自閉スペクトラム症スクリーニングテスト、言語能力テスト、発達に関する縦断データ分析、因子分析・構造方程式モデリング・項目反応理論といった潜在変数を利用したモデルにおけるパラメタ推定法、心理特性測定のための適応型テストシステムについて研究を行っている。 - 主要業績
『臨床心理学スタンダードテキスト』(共著、金剛出版、2023年)
Development of literacy skills for Japanese deaf and hard-of-hearing children(共著、Child Development、2023年)
乳幼児期における社会的認知能力の発達軌跡 (共著、発達心理学研究、2022年)
光藤 宏行 (MITSUDO Hiroyuki) 心理学講座/准教授
- 専門
知覚心理学、視覚科学 - 専門分野
人間の奥行き知覚に関わる、感覚・視覚情報処理機構を明らかにする研究を行っている。具体的には、両眼立体視・運動視に関する錯視現象の発見、およびそれらの現象の心理物理学的検討を、三次元眼球運動の計測等と組み合わせて行っている。 - 主要業績
Vertical Size Disparity Induces Enhanced Neural Responses in Good Stereo Observers (共著、Vision Research 164, 2019)
Stereoscopic Depth Contrast in a 3D Müller-Lyer Configuration: Evidence for Local Normalization (共著、Perception 46, 2017)
『意識的な行動の無意識的な理由』(共著、創元社、2018年)
山本 健太郎 (YAMAMOTO Kentaro) 心理学講座/准教授
- 専門
実験心理学、認知科学、時間認知 - 専門分野
人の主観的な認識や行動を作り出す心的過程について、主に「時間」を切り口として実験的に研究を行っている。具体的には、経過時間の評価、感覚情報の統合、動きの認識などの研究を通して、人の安定的な経験を支える心的基盤の解明を目指している。 - 主要業績
How many categories are there in crossmodal correspondences? (共著、PLOS ONE、2023)
Cue integration as a common mechanism for action and outcome bindings (単著、Cognition、 2020)
Effect of motion coherence on time perception relates to perceived speed (共著、Vision Research、2016)











