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イスラム文明史学研究室

我が国ではじめてつくられたイスラム文明史研究の拠点

イスラム文明は、地中海から中央アジアにいたる諸文明が交差することで生まれた、史上屈指の文明である。その核となるイスラムは、単に人々の心のよりどころとなるだけではなく、政治・経済・社会の諸制度の形成に中心的な役割を果たしてきた。本研究室は、このようなイスラム文明の諸現象を歴史学的に解明するために創設された。異なる文明の異なる意識や価値観と向き合うため、ここでは、何よりも一次史料にふれることを大切にしている。アラビア語、ペルシア語、トルコ語といった現地語史料を通じて、対象とする時代や地域社会のあり方を学ぶのである。

一方、自由闊達な研究が、本研究室のモットーでもある。教員の研究分野や授業内容にとらわれず、自ら新しい研究分野に挑戦し、新しい問題意識を開拓する意欲ある学生をこそ求めている。異文化の歴史に対する旺盛な好奇心をもち、自主性に富んだ諸君とともに、新しい歴史学を生み出したい。

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教員

清水 和裕 (SHIMIZU Kazuhiro) イスラム文明史学講座/教授

  • 専門
    アラブ史、初期イスラム史
  • 専門分野
    アッバース朝を対象として政治史、軍事・行財政制度、そして社会における民衆の運動などを研究。近年はカリフ体制論を中心に、書記官僚による行政技術や、シーア派活動におけるシンボリズムのあり方などを検討している。
  • 主要業績
    『イスラーム史のなかの奴隷』(山川出版社、2015年)
    『軍事奴隷・官僚・民衆−アッバース朝解体期のイラク社会』(山川出版社、2005年)
    「ヤズデギルドの娘たち−シャフルバーヌー伝承の形成と初期イスラーム世界」(『東洋史研究』67-2、2008年)

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小笠原 弘幸 (OGASAWARA Hiroyuki) イスラム文明史学講座/准教授

  • 専門
    オスマン帝国史
  • 専門分野
    オスマン帝国を専門とし、特に帝国の前近代における歴史叙述のあり方について、ペルシア語歴史叙述との関係にも注意を払いつつ研究している。最近では、近代やトルコ共和国初期における歴史認識の問題についても考察を進めている。
  • 主要業績
    『イスラーム世界における王朝起源論の生成と変容―古典期オスマン帝国の系譜伝承をめぐって』(刀水書房、2014年)
    『オスマン帝国―繁栄と衰亡の600年史』(中公新書、2018年)
    『トルコ共和国 国民の創成とその変容―アタテュルクとエルドアンのはざまで』(九州大学出版会、2019年、編著)

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