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九州大学法文学部創立100周年記念展示—学生の変遷を振り返る

 九州帝国大学法文学部は1924(大正13)年9月に創立されました。戦後の1949(昭和24)年になると新制度のもと、九州大学として文学部・法学部・経済学部・教育学部が分立しました。そして2004(平成16)には国立大学法人化を果たし、現在の制度的基盤が整います。こうして2024(令和6)年、九州大学法文学部は創立100周年を迎えることとなりました。これを機会に、九州大学文学部歴史編纂室・九州大学文書館は昨年来から1940年代、60年代、80年代の展示を行ってきました。
 今回あらためて創立から現在に至る100年を振り返るパネル展「九州大学法文学部創立100周年記念展示—学生の変遷を振り返る」として再企画/再展示いたします。
 最初に展示するのは1940年代です。創立された当初「白亜の殿堂」と称えられた法文学部の建物は、戦時中は空襲を避けるために黒く塗られました。この色彩に象徴されるかのように、教授会での強い反対にもかかわらず、戦前には文科系を中心とした学生の一斉招集、学徒出陣が行われることになりました。学生は国家総動員令の客体として戦争に駆り出される存在となりました。
 次に展示するのは1960年代です。新制度下で4学部体制として再開した九州大学では、特に1968(昭和43)年に原子力空母エンタープライズの寄港、またアメリカ軍機ファントムの大型計算機センターへの墜落を機に学生運動が燃え上がります。戦後をアメリカの体制下で迎えることにそれぞれの思惑を抱えていた各学部の教員や学生は、国家と対峙し政策を問いながら、一方で新たな学問を模索しました。
 最後に展示するのは1980年代です。女子学生の増加や大学の国際化など、キャンパスは様変わりしました。好景気を背景に、学生の活動や思考のあり方が五感で触知できる次元で変貌してゆきました。九大祭の内容の変貌にも象徴されるように、社会全般への関心は退潮し、消費社会での関心が台頭してきます。こうして学生たちは大学で消費の主体として自らを造り替えてゆく存在となります。
 この3つの時代の学生の姿を通じて、本学の学生たちがいかに変貌してきたのかを振り返り、これからの100年を展望する糧にしていただければ幸いです。

 2024(令和6)年11月5日
 九州大学文学部歴史編纂室・九州大学大学文書館


法文学部創立百周年先導企画特別展示のご案内

2024年(令和6年)、人文社会科学系4学部(文学部、教育学部、法学部、経済学部)は、九州大学法文学部が1924年(大正13年)に創立されてから百周年を迎えました。
このたび、法文学部百周年先導企画特別展示として、下記のとおり、「変貌するキャンパスライフ-1980年代の九州大学」展を開催します。

・タイトル:九州大学法文学部百周年先導企画特別展示
     「変貌するキャンパスライフ-1980年代の九州大学」展
・主催:九州大学大学文書館・九州大学文学部歴史編纂室共催
・期間:2024年7月26日(金)~8月8日(木)午前
 *期間内は午前8時半から午後5時までの展示としています。
 *8月3日・4日はオープン・キャンパスとなるため展示しています。
・場所:九州大学伊都キャンパス イーストゾーン1号館C棟1階プレゼンスペース
・問合せ先:kyushu.comparative.religion★gmail.com
※メールアドレスの★を@に変更してください
・法文学部創立100周年記念プロジェクトHP
https://houbun-100th.kyushu-u.ac.jp/


デジタルアーカイブ企画

アジア歴史資料センター研究員の中野良氏の講演「アジア歴史資料センターのデータベースとその運営について」を開催しました。近現代の歴史資料を提供するデジタルアーカイブの草分けである、アジ歴設立の経緯、データベースの構造、提供資料の種類について紹介していただきました。データベースの運営において、資料を公開するまでの作業フローや研究員の業務といった内部事情についてもお話頂きました。国立公文書館、外務省外交史料館、防衛省防衛研究所と連携し、膨大な資料を効率的に、正確に記録し公開していく際の作業内容について細かくご説明頂きました。こうしたアジ歴の知見は、本学の人文学分野において、データベースを構築していく上で必要となってくる基礎的知識や、直面するであろう課題を考える上で大変有意義なものでした。また、データベースを一般のユーザーが幅広く使えるように、検索補助ツールとして辞書機能を付与したり、ウェブコンテンツとしてインターネット特別展、アジ歴グロッサリー、日英対訳集を作成するなど非常に豊富なコンテンツを提供している点は、データベースの応用例として大いに参考にできるものでした。
講演の後には、ディスカッサントの藤岡先生と司会の今井先生、会場内の参加者を交えて、歴史資料のデータベースの現状や課題について、幅広い観点から議論や質疑応答がなされました。

連絡先・アクセス

九州大学文学部歴史編纂室
住所:〒819-0395 福岡市西区元岡744 イーストゾーン E-C-313
E-MAIL:archives@lit.kyushu-u.ac.jp